2006年8月5日 14:00~
日本郵政公社切手デザイン室長、森田基治氏を招いての公開トーキング・「日本の普通切手、その未来を考える!」に参加。
進行は日本郵趣出版・郵趣編集長の平林氏。
会場に入る際、事前に行われたアンケートの結果を集計したものが渡された。
今回のアンケートは回答数が99通と、過去に行われた記念・ふるさと切手に関するアンケートに比べ非常に少なかったとのこと。
タイトルに「日本の普通切手・・・」とあるが、実際は前半が普通切手、後半が記念切手についてのトーキング。普通切手は事前のアンケート結果に沿っての進行。
【普通切手】
・統一感のある平成切手はすばらしいという意見が多いが、その反面低額面のデザインについて、デザインの統一がされていないという意見も。
これに対し森田氏、平成切手(郵政内では動植物シリーズと呼んでいるらしい)のデザインを決める時、季節感を感じさせないこと、日本らしさを感じさせるものといった要望が出された。季節感と日本らしさが矛盾し、苦労したとのこと。低額面で図案の統一がされていないことについて、調達との絡み、郵便料金改正により突然発注がかかることがあるという理由で、なかなか難しいとのこと。
また、廃券種については、会場からはなぜこの券種が廃止になったの?といった疑問の声も聞かれた。(210円、60円)
・シール式切手のコストは裏糊式の5倍。
シール式のほうがコストがかかるというのは当然理解出来るとして、5倍というのは想像以上。
「シール式の発行が増えれば、コストは下がるでしょう」と森田氏。
以前、目打ち(目打ち型抜きなし)なしのシール式切手を発行した際、九州の郵便局で、目打ちがないから偽物と間違われたというエピソードも紹介された。(間違ったのは郵便局員ですよ。念のため。)
【記念切手】
・組み合わせシート「科学技術とアニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ」について、森田氏「戦犯は私です」発言。
当初、アニメと科学技術でシートを分ける予定だった。科学技術の方は、企業が買ってくれるだろうという目論みがあったとのこと。しかし、アニメは売れても科学技術は売れないという声が強く、結局アニメと科学技術の混合になったとのことである。
また、以前の日本は、基礎研究をしないで応用研究だけをして、金儲けばかりしていると批判されていたが、今は応用研究もしなくなったという話を聞いたという森田氏の言葉に、技術系の仕事をしている人間として、思い当たる節はある。ちょっと耳の痛い話だった。
・切手は縦長or横長?切手の向きについて。
これは会場からの質問。航空機の切手発行についての要望だったと思う。横長の方が飛行機が自然に収まるのでデザイン的にさまになる。
その前に、森田氏より横長の切手がなぜないのか説明。
「日本の慣習として、封書・はがきとも縦長であり、必然的に切手も縦長である。以前横長の切手について、「使いにくい」、「使う人間のこと全然考えてないだろう!」、といったクレームがあり、横長切手は姿を消していった」とのこと。国際文通は外信用であるという前提なので横長。
ただ、最近は少し事情が変わってきて、10件に1件くらいは横長でもいいんじゃないのかと思っているそうだ。公社の総裁からも「森田君、なぜ横長の切手がないの?」といった質問を受けたそうだ。船などをむりやり縦長の切手に収めたり、デザイン的にも苦しい思いをしたようである。
・「日本映画」のエピソード
切手の向きについての話の流れから、これから発行される日本映画についてのエピソードが語られた。
当初、切手の題材は、フィルムから起こす予定で横長を検討していたとのこと。ただしその直後に、「縦長で2種連刷ですが」と付け加えていましたが。
ただ、フィルムから起こすのには2つの問題があった。
1つ目は、古い映画の場合フィルムにシミやシワがあり、切手の題材に使用するだけのクオリティが確保出来なかった。
「フィルムの管理はどこも杜撰だ」と森田氏。
2つ目は、著作権の問題で、”絵を加工してはいけない”という決まりがあるということ。
そのため、トリミングが一切出来ない。
したがって、切手の原画をフィルムから起こすことをあきらめ、スチルから起こすことにした。
結果的に、スチルの方が人々の記憶によく残っており、「あっ、あの映画だ」というのが一目でわかりよかった、ということである。
・森田氏からの宿題
切手の中に、森田氏のサイン”MORITAの文字”が隠されています。
①水辺の鳥シリーズ第6集 カワセミ
②同じく、第5集 アカショウビン
③同じく、第3集 エトピリカ
以上は、会場で隠し場所が明かされました。
「こちらのデザインとおりに作ってくれるかな?と印刷所を試す目的でしたが・・・ちゃんとやってくれましたね」と笑っておっしゃってました。
・・・・いいなぁ、そういう遊び心。
④、⑤は宿題です。ルーペで実物をよくみないと見つからないそうです。難易度高いとのことです。
④昆虫シリーズ第1集 ルリボシカミキリ
⑤同じく ムカシトンボ
・最後に
組み合わせシートの中に、10円、20円といった低額面の切手を入れてくれないか?という要望が会場内から出た。(私は、これには反対。使うか使わないかわからない額面の切手を組み合わせてほしくないので)
ただその中で、本来の切手の役割、郵便物に貼るというということを再認識させられた。
”切手を売ってもそれは利益ではない。郵便物を配達するというサービスの対価である”
”切手がなくなって郵便が残るということはありえない、切手がなくなるときは郵便がなくなるとき”
・・・同感です!
郵便に使いたくなる、そんな魅力あふれたデザインの切手を期待します。
********************************************************************
公開トーキングの内容を記憶だけを頼りに思いつく順番にまとめました。何か思い出したら追記するかもしれません(笑)
事前申し込みをしていなかったので、入場は不可能とあきらめていましたが参加できて大満足でした。
・・・・・メモをとればよかったと激しく後悔。
↓森田氏直筆サインの入った参加記念品↓
最近のコメント